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2020年4月1日に施行される改正民法(明治29年法律第89号)を踏まえ、約款の変更に関する事項および、法定利率の変更に伴うライプニッツ係数の変更に関する事項についてご案内します。

約款の変更

本法改正において、約款を用いた取引に関するルールが新たに定められます。その中で、以下に該当する場合には、事業者(企業)側が既存の契約も含めてその約款の内容を変更できると規定されています。
(法第548条の4)

① 変更が顧客の一般の利益に適合する場合
② 変更が契約の目的に反せず、かつ、変更に係る諸事情に照らして合理的な場合

原則として約款に基づき契約されている損害保険契約についても、改正民法で規定する上記のいずれかの条件に該当する場合には、約款の内容が変更されることがあります。

<参考> 改正民法(抜粋)

(定型約款の変更)

第548条の4 定型約款準備者は、次に掲げる場合には、定型約款の変更をすることにより、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる。

(1) 定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき。

(2) 定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、この条の規定により定型約款の変更をすることがある旨の定めの有無及びその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき。

2. 定型約款準備者は、前項の規定による定型約款の変更をするときは、その効力発生時期を定め、かつ、定型約款を変更する旨及び変更後の定型約款の内容並びにその効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法により周知しなければならない。

3. 第1項第2号の規定による定型約款の変更は、前項の効力発生時期が到来するまでに同項の規定による周知をしなければ、その効力を生じない。

4. 第548条の2第2項の規定は、第1項の規定による定型約款の変更については、適用しない。

<参考リンク>民法の一部を改正する法律(債権法改正)について(法務省ホームページ)

「ライプニッツ係数」の変更

法改正により、以下のとおり、法定利率が変更になります。

なお、今回の民法の改正により、法定利率は金利の情勢等に応じて3年ごとに見直されることとなりました。 (見直しの結果、据え置かれる場合もあります。)当社では、この法定利率の変更に伴い、法定利率をもとに算出している「ライプニッツ係数」の値を変更する予定です。

自動車保険の人身傷害条項事故補償などでは、将来の逸失利益等の計算にライプニッツ係数等を使用しています。これらの係数は、法定利率(現在5%)をもとに算出しているため、改正民法の施行と同時に法定利率3%をもとに算出した係数に変更する予定です(その結果、支払われる保険金の額も変わる予定です)。また、2020年以後も、法定利率が変更された場合は、ライプニッツ係数等を変更することがあります。
改正民法の適用は事故日が基準となるため、保険始期を問わず、事故日が2020年4月1日以降に発生した保険金の計算は、法定利率3%をもとに算出したライプニッツ係数等を適用する予定です。 なお、ライプニッツ係数等を使った計算は、将来の利息の額を控除するために行うものです。このため、法定利率が低いほど保険金は大きく、法定利率が高いほど保険金は小さくなります。