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第1回「新型コロナBCPについて」 ①

新型コロナBCPの課題と感染拡大防止に向けて


新型コロナウイルスの感染症はいつまで続くのでしょうか。天然痘、ペスト、インフルエンザ・・・と古くから人類を恐怖に陥らせている感染症の歴史は何となく知ってはいたのですが、私たちがその歴史上に立っことなどは、誰しもが思いも寄らぬ不測の事態であり、まさに想定外と言えるでしょう。

代理店の皆さんも、リスクマネジメント的にはこれらを想定して、備えるべく対策を行う必要があることを理解できるものの、人・物・金・情報など資本主義の高速化やグローバル化は地球規模の流行を避けることが難しくなっており、現実的対応に世界は苦慮し続けています。人類は未だに治療法やワクチンによる予防が十分に機能しない不安を抱えながらも、新しい生活様式(ニューノーマル)に向き合って生活することが求められています。お客様の企業ならびに代理店の皆さんも同様、新型コロナという新しいリスクの中で事業継続のためのBCP策定や見直しを課題として取り組んでいることでしょう。

今回は、自然災害と異なる新型コロナBCPへの課題と感染拡大に向けた初動態勢について採り上げてみます。

  • 新型コロナBCPの主な特徴
    BCPは自然災害などの事象の発生により経営資源が使えなくなる影響を出来る限り極小化するために、防災や減災対策を行い、事業の代替手段による生産確保や在庫、資金調達方法などの施策を駆使しながら、僅かでも事業を続けながら早期復旧するための計画になります。
    ただ、自然災害と異なる新型コロナBCPの特徴は、「感染拡大リスクを抑える社会的責任上にある事業継続方針」、「人的健康危害を対象とした被害」、「長期間に亘る感染リスク」、「長期間の業績悪化」、そして「地球規模への多大な影響」となります。

    この1年半を経過する新型コロナ感染症により社会はニューノーマルへと一変しました。時短、在宅勤務、店舗の閉鎖など業務の変更・縮小・休止や業種・業態の転換など、企業は様々な工夫を凝らして生き残りを図っています。感染症は非接触による業務の安全性確保が求められますので、PCや通信を利用したテレワークの推進は大きな変革となりました。東日本大震災を契機にBCPに必要とされたツールが10年で具現化されました。
    今後のサステナビリティ(持続継続化)に向け、ICT(Information and Communication Technology:情報処理だけではなく、インターネットのような通信技術を利用した産業やサービスなどの総称) である通信によるコミュニケーションの積極的な導入はもとより、業種・業態への転換などをも考慮したBCPの策定が必要に迫られるかも知れません。
     
  • 感染拡大防止に向けた初動態勢
    「従業員に発熱があった場合は、いつから出社できるのでしょうか?」
    企業によって 「翌日」、「3日目」、・・・「14日目」から出社と決めている・・・など対応は様々でしょう。季節性のインフルエンザは、解熱後3日目から出社を基準としているところが多いようですが、新型コロナ禍の状況では大きく異なります。
    危機管理的観点から最悪の事態を想定する企業では、感染潜伏期間や感染期間を考慮し、「14日以降に出社」を義務付けています。また、感染拡大防止に向け、発熱の報告時点で「感染の疑いがある」ことを前提に、プライバシーを配慮しながら企業独自で想定される濃厚接触者への対応など、迅速な初動態勢を執られるところもあります。

    新型コロナの感染は、社会的感染症(嫌悪・差別・偏見)として感染者自身が嫌悪の対象となり、周囲の人との関係性悪化が危惧されます。感染が疑われると差別を受けるのが怖くなり、熱や咳があっても診療を受けずに体調の様子を見ながら出社することも考えられます。また、業務多忙により会社を休めない環境下も発熱報告が出来ない要因もあります。

これから感染力の強い変異ウイルスが増加し、いつ、誰もが新型コロナに感染してもおかしくない状況にあるので、従業員やその家族が感染した場合でも、会社は報告や相談を受け入れられる「職場環境作り」をすることが、より実効性のあるBCPの運営が図られることでしょう。

MTRC 代表 髙橋 勝 著

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